
今年は例年より暖かいようです。
いまのところインフルエンザウィルス感染(以下、インフルエンザ)も爆発的な大流行ではなさそうです。
しかし毎日風邪症状を訴えて患者さんが来院されます。
そのうちの何割かのひとにはインフルエンザウィルスが検出されますが、インフルエンザではない風邪のひとも相当数いらっしゃいます。またなかには37度台前半の発熱しか示さない、風邪としては軽症のインフルエンザのひともいます。これを最近では隠れインフルエンザと呼ぶこともあるようです。
インフルエンザウィルスは100種類ともいわれる風邪症候群のウィルスのなかのひとつです。
ところで、インフルエンザも風邪ですが、TVのCMで言っているような「早めに〇〇〇〇」を飲まないほうがよい風邪であることは世間ではあまり知られていません。その理由はいくつかあります。
もしインフルエンザであった場合、
ということをご存じでしょうか。
市販の風邪薬(総合感冒薬)の主な成分を下記に示します。
上記の①に書かれている鎮痛解熱剤のなかで、インフルエンザの際にNSAIDs*(エヌセイズ=非ステロイド系鎮痛剤)と呼ばれる種類の解熱鎮痛剤を飲んだ時、(特に小児で)インフルエンザ脳症**を誘引、もしくは重症化させる可能性があるとされています。
インフルエンザ脳症は、発症すると約30%は死亡し、約25%で後遺症を残す可能性があります。
季節性のインフルエンザが原因で年間150~200人ほどのひとが脳症を発症すると言われています。
前述したNSAIDsの大部分は、インフルエンザの小児への投与は(原則)禁忌とされており、成人においても極力処方しないこととされています。
またインフルエンザの発熱にアスピリンを服用したとき、まれにライ症候群***という疾患を誘発することがあるので使用は避けたほうがよいとされています。
鎮痛解熱剤のうち、カロナール(アセトアミノフェン)のみが推奨される鎮痛解熱剤です。
NSAIDs*:
イブプロフェン、ロキソニン、アスピリン製剤、ジクロフェナクナトリウム製剤、メフェナム酸製剤は使用不可。
カロナールは使用可。
インフルエンザ脳症**:
痙攣・意識障害・異常行動を起こす場合があり、後遺症や死亡する場合もある。
ライ症候群***:
急性脳症や、肝臓への脂肪浸潤を起こし、死亡する場合もある。
冬季の風邪は症状が軽くてもインフルエンザの可能性がある。(隠れインフルエンザ)
風邪薬は症状を緩和するがインフルエンザの特効薬ではない。
鎮痛解熱剤はときに重症化や合併症誘発の危険性がある。
風邪薬は検査の反応を邪魔してインフルエンザかどうかわからなくなることがある。
風邪薬を服用し医療機関を受診するのが遅れると抗ウィルス剤の効果が乏しくなる。
受診が遅れると周りのひとにウィルスをうつす危険性が増す。
冬季の風邪のときは安易に市販の風邪薬は飲まず、痛みと熱がつらいときはカロナール(アセトアミノフェン)を服用し、可能なときは医療機関で検査を受け、必要に応じて抗ウィルス薬を処方してもらうことが大切です。
※以下抜粋
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